愛車を売る時は大切にしてくれる買取業者にお願いしたいと考えるのが当然ですが、業者の中には、詐欺に近い買取を行う悪質な業者もいます。悪質な車買取業者を避けるため、事前に手口を知っておくことも大切です。今回は悪質な車買取業者の特徴について解説しますので、トラブルを未然に防ぐため、ぜひ参考にしてください。
悪質な車買取業者がよく用いる手口とは?
一見、安心できそうな店舗やホームページを構える車買取業者でも悪質な手口を使ってくることがあります。ただし売却側の不注意により、契約上は詐欺に当たらないケースがあるため注意が必要です。いくつか具体例を紹介しますので、被害に遭わないためにおさえておきましょう。
■車の売却後に入金されない
通常の車買取業者であれば、入金日を明確にしたうえで1週間以内に入金されることがほとんどです。しかしながら個人売買での車の持ち逃げのみならず、買取業者でも車の持ち逃げをはたらく悪質な車買取業者がいます。倒産が近い車買取業者や規模の小さい車買取業者に売却した場合は要注意です。
■買取契約後の大幅減額
査定額に納得して契約したにもかかわらず、契約後の車を引き取った後に大幅な減額を要求されるケースがあります。この手口は再査定や二重査定と呼ばれます。
業者は瑕疵担保責任などを盾に減額を要求し、キャンセルを求めると不当なキャンセル料を請求してきます。実際に瑕疵担保責任があった場合は法的に問題がありませんが、最初から二重査定するつもりで買取を進める悪質な車買取業者もいるので要注意です。
■相場より著しく低い買取価格
実際の相場よりも著しく低い査定額を提示する手口もあります。安い査定額を提示しながら、口八丁に即決を迫ってくる悪質な車買取業者がいます。査定前に自分で相場を調べておき、複数の車買取業者に査定してもらうことで、防げる可能性があります。
■不当なキャンセル料の請求
買取契約を結んだ後に、売主側の気が変わってキャンセルすることも考えられます。車の売買契約ではクーリングオフがなく、キャンセル料がかかる場合もありますが、不当なキャンセル料を請求する車買取業者もいます。
悪質な車買取業者は車の売却金額を超えるようなキャンセル料を請求してきます。契約時にキャンセル料についてよく確認しておきましょう。
■噓の情報で強引に契約を迫る
悪質な車買取業者は契約を即決させるために嘘の情報も使ってきます。たとえばクーリングオフ制度が適用されるから、一旦契約して気が変わったらキャンセルすればよいといった嘘を使ってきます。実際は車の売買契約ではクーリングオフが対象外のため、いざ契約をするとキャンセルに応じないといった手口です。その他にも言葉巧みに嘘を織り交ぜながら、強引に契約を迫ってきます。
悪質な車買取業者に騙されないためには?
悪質な車買取業者に騙されないために、以下のようなポイントをおさえておきましょう。
■信頼できる車買取業者か見極める
正当な車買取業者であれば詐欺まがいの手口に遭うことはありませんし、気持ちよく車を買い取ってもらえます。信頼できる車買取業者を見極める方法として、JADRI(日本自動車流通研究所)の加盟有無を確認するといいでしょう。
JADRIは中古車買取業界の健全化を目的としている団体なので、悪質な車買取業者が混ざっていることは基本的にありません。JADRI加盟を車買取業者の選定条件とすることで、悪質な買取を避けることができるでしょう。
■口頭のみで契約をすませない
できる限り口頭のみで契約を結ばないようにしましょう。口頭の契約ではエビデンスが残らないため、トラブルになった場合に契約内容を確認できません。悪質な車買取業者ほど、すぐに契約するよう強引に迫ってきます。落ち着いて対応し、契約は書面の取り交わしによって行うことで悪質な手口を防げます。
■買取相場を調べておく
悪質な車買取業者に買い叩きにあわないためにも、事前に売却金額の相場を掴んでおくとよいでしょう。相場を調べず何も知らない状態で悪質な車買取業者に当たってしまうと、足元をみられて不当な金額で買取されてしまう可能性が高くなります。買取相場以外の車買取に関する知識もある程度蓄えた上で、車買取業者に査定を依頼しましょう。
万が一、悪質な車買取業者に騙されてしまったら?
悪質な車買取業者はあらゆる手を使って巧みに騙してくるので、気をつけていても騙されてしまうかもしれません。もし悪質な車買取業者に騙されてしまったら、まずは国民生活センターや警察へ相談しましょう。
またJPUC(一般社団法人日本自動車購入協会)に相談することもおすすめです。JPUCは車の売却に関する相談窓口も設置されているため、詳しい専門の人に相談できます。トラブルへの対応が遅れれば遅れるほど解決が難しくなるので、トラブルに巻き込まれたらすぐに相談することが大切です。
悪質な車買取業者は再査定や不当なキャンセル料の請求といったさまざまな手口を使いますが、売主側も契約上の不注意などの隙をつくらないことが大切です。買取査定前に情報収集しておき、契約時は書面で契約を交わすといったポイントをおさえて隙をなくしましょう。JADRI加盟有無を確認するなどして、安心して依頼できる車買取業者をしっかり見極めましょう。